藤野で活躍されている木工作家の河内伯秋さん。「日用美」の木を伐採した時にも手伝って頂いた作家さんのおひとりです。<br />
<br />
伯秋さんの器は無骨さと艶やかさを併せ持っていて、それがとてもよく調和しているのが「nora」というシリーズ。
生のままの木を削り乾燥させて、割れや穴も意匠として取り込んで作品を作っているところに惹かれます。
割れた部分には真鍮や銅のカスガイをつけて、器の内側には布と和紙を貼り、何度も漆を重ね、最後に錫粉で仕上げます。まるでアンティークのような風合いなので、少し暗いところで見ると中の食材も艶めかしく見えて、「あぁ、美しいなぁ」と思います。
作品を見ているとひとつずつ木に合わせた形を優先していることを見て取れます。だから、同じサイズの同じものはありません。お皿を見ながら穴が開いていたら、「きっと美味しい蜜があったんだろうなぁ」と想像するのも楽しいのです。